クリエイターをターゲットにした勧誘・営業メールの体験談(詐欺ではないタイプ)

20170530

私は10年以上前からいろいろなアート活動をしているんですが、サイトや名刺に連絡先を書いてるせいか、怪しい営業メールが来ることがあります。

最近は私の活動範囲がアングラ気味になったのであまり来なくなったんですが、久しぶりにそれっぽい?メールが来たのでちょっと紹介しておこうかと…。

文面はまるっと変えてありますが、大体こんな感じです。

タイトル:

取材とお打合せの件

本文:

突然のメール失礼いたします。
○○出版社の○○と申します。
××様のサイトを見てメールさせて頂きました。

只今弊社ではAmazonと提携し、活動的な△△アーティストをテーマに取り上げた書籍出版の企画をしております。

弊社サイト:
http://○○○.com

××様のサイトに掲載されている△△アートへの拘りと、それを広めて行きたいと言う熱意に感銘を受けました。

私事ではございますが、私も幼少の頃に△△の楽しさを父に教わり今も趣味として嗜んでおります。××様の作品を是非生で拝見したいと存じますが、展示会のご予定はございますでしょうか。
また、××様が作品を生み出される過程や、△△へ向ける情熱の理由などに大変興味があります。ブログで語られているような楽しいお話も含めて、是非執筆頂けないかと思い、このメールを書いております。

大変恐縮ですが、審査・一部費用ご負担の可能性もご理解頂いた上で、まずはインタビュー形式でお話しをお伺いできれば幸いです。
お返事お待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。

何が「取材とお打合せ」なんですかねぇ…。

私のサイトの中身をよく見てくださったみたいでありがとうございます。

でも、別に詐欺じゃないんですけど、興味を引くようなタイトルと内容でメールを送ってきて最後に「費用を一部ご負担いただくこともあります」とか書いてある。

なんだよく見たら営業じゃん…みたいな感じですね。こういう風に書いてある場合はほぼ有料だと思った方がよろしいかと思います。

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自費出版サービスの勧誘

こういうビジネスって、イラストレーターとか習い事の先生とか、スポーツ系のインストラクター・レッスンプロで、自信がありそうな略歴や顔写真などをサイトにバーンと載せてるタイプの人がターゲットになりやすいみたいです。

まずメールで、サイトを見て興味を持ったことを伝え「一緒にビジネスをやりませんか?」「あなたに興味を持っているクライアントがいます!」などと持ちかけてアポを取り、カフェでお茶しながら褒め称え持ち上げて「自伝出版しましょうよ!!」「あなたのファンや生徒さんが喜ぶしハクも付きますよ!」「宣伝のお手伝いもします!(ツイッターで)」「あ、でも費用を一部負担してください…」って言って取材・編集・出版費用を頂くとかそういう流れです。

勿論本人が納得して出すお金ですし、自伝出して満足するなら全然良いサービスだと思いますけど。でも書店で流通させてくれると言っても少数店舗だけだし、正直売れないでしょう。完全な自己満足になります。

(見てるとごく一部の人だけ売れたり映画化したりもするみたいです…そういう成功者のお話聞いて気分を高められるセミナーも出版社が主催してるよ!)

自費出版で書店流通しないタイプ(POD利用)

あと最近増えてきてると感じるのが、Amazonの「プリント・オン・デマンド(POD)を使った出版ビジネスです。上で例に挙げた営業メールもそれでした。

これは入稿データだけ作って登録しておけば、発注が来た時点でAmazonが印刷製本して送ってくれる受注生産タイプのオンデマンド印刷サービスで、印刷費用がかからず在庫も持たなくていいんですよね。業者的にもコストが抑えられて美味しいと思います。

メールの中で「Amazonと提携して本を出版している会社です」とか書いてあったら大体コレ。

カタログ掲載サービスの勧誘

「企業に配布されるアート系雑誌や、クリエイター専門カタログに2ページ5万円で掲載します」と言う感じで、潔い営業をしてくる有名な会社もあります。昔はよくメール来てましたが…最近見かけないけどまだあるのかな?

絵画スクールの勧誘

ず~っと前、講談社のイラストコンテストに応募したら入賞して、その時無職で暇だったので品評会みたいのに呼ばれて行ってみたら、同系列会社の絵画スクールに勧誘されたことがあります。

それで「ああ…これってコンテストそのものが、スクールの勧誘を目的にしてるものなのかな」って思ってちょっとがっかりした記憶が。そりゃあそうですよね、目的がなければあんな頻繁に費用かけてコンテストなんてやらないわけで…。

しかもそのスクールの料金がものすごく高くって(その場では値段次第で習うのもいいなぁって思ってた、営業さんいい人だったし)思わず「え、もしかして専門学校なんですか?」って聞いちゃいました。でも営業さんは「いいえ~」って爽やかに答えてましたね。と言うかその金額なら普通に専門学校行けるわ!!w

勿論入りませんでしたが、一応有名な会社なのに、こんな社会的信用を失うようなやり方でスクール生集めてるのか、すごいな…って闇を感じました。(ネットで調べたら案の定叩かれてるし…と言うか、どうやらこのスクールなくなるみたいですね)

あと、最近スタジオYOU主催の同人イベントに行ったんですが、会場内でアンケート答えてくれた人にくじ引きでプレゼントあげますって謳ってる何ちゃら総合学院のブースがありまして。友達と一緒にお祭り気分で記入しちゃったんですけど(ブラックサンダー貰いました)、後日普通にその業者から電話かかってきてスクール勧誘されましたからね。気軽に個人情報書くもんじゃないなぁって反省しました。

他にもデザインフェスタとかのアートイベントでもすごい勢いで名刺集めてる人がいたので何かと思ったら、後日「イベントでお話ししましたよね~」とか言って営業かけてきたりするので注意してください。ただのスクール営業ならまだマシなんですが、変な宗教とかマルチとかもあるらしいので…。

公募展・コンテストの勧誘

出展料1万円~5万円以内くらいで、誰でも絵画を出展できる公募展は世の中にたくさんあります。国立・都立美術館の展示室を借りて展示するものから、個人のギャラリーでこじんまりと開催するものまで規模はピンキリです。

クリエイター個人に向けて勧誘してくるところは少ないのですが、たまーに応募数が足りないのか、案内が来ることがあります。

私は「あなたの絵が国立新美術館に展示される!」と言う触れ込みの公募に応募したことがあるのですが、まぁ…実際に美術館に展示されたのは嬉しかったんですけど…、会場がガラガラで観客が関係者しかいなかったので微妙な気持ちになりました。審査通ったからいいけど、お金出して出品して審査で落とされたら悲惨だなぁ~と思います。

これもほんと趣味の世界ですね。暇を持て余したお金持ちの遊びって感じ。

終わりに

何だかな~、こんないろいろ営業されるためにアート活動してるわけじゃないのになぁ…って思います。最初は感想かお仕事依頼のメールかと思ってテンション上がった分、ほんとがっかりなんですよね。お金出す人が居るから、こういうビジネスが成り立つんでしょうけど…。

…こうして整理してみると、クリエイターってやっぱり狙われやすいのかなって思います。

声をかけてくれる人の中でも、たま~に個人コレクターとか百貨店のバイヤー・キュレーターの方なんかもいるので、変な人ばかりではないです…念のため。