フランスの風景 樹をめぐる物語展の感想(2016年:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)

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フランスの風景 樹をめぐる物語 -コローからモネ、ピサロ、マティスまで-
会期:2016年4月16日(土)~6月26日(日)
会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

アートイベント系の情報が載っているアプリを見ていたところ、この展示を見つけたので衝動的に観にいくことにしました。

こちらの美術館はよく私好みの面白い展示をしてくれるし、いつ行ってもすいてるので気に入っています。

看板の絵はモネ「ヴェトゥイユの河岸からの眺め、ラヴァクール《夕暮れの効果》」と言う絵で、シスレー風の水辺の描写がとても綺麗な一枚です。

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混雑具合は…割と始まってすぐの土曜日に行きましたが、この美術館にしては混んでるかな?ってくらいで、上野の美術館とかに比べたら全然すいてると思います。

おそらくいつ行っても快適に見られるレベルです。

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樹をめぐる物語展の概要

バルビゾン派、印象派周辺の「樹」「木」モチーフ作品を集めた展示です。

コロー、モネ、ヴァロットン、ドニ、マティスなど。他にもあまり見かけない画家の絵がたくさんありました。

構成は以下の通り。

  • 第1章:戸外制作の画家たち
  • 第2章:印象派の画家たちと同時代の風景画
  • 第3章:ポスト印象主義と20世紀前衛芸術への試み

樹をめぐる物語展の感想

構成はだいたい時代順になっていて、ロマン派→バルビゾン派→印象派→ナビ派・ポン=タヴェン派・象徴派・野獣派って感じの流れで展示してあったと思います。

私は基本的に印象派の明るくて綺麗な感じが好きなんですが、今回一番心惹かれたのはロベール・アントワーヌ・パンションと言う画家の絵でした。

この画家の絵は数点あって、どれも色合いが綺麗で気に入りました。ん~、系統はたぶんナビ派…、印象派寄りのナビ派って感じだと思います。とにかく色がいい!

あんまり聞いたことのない画家ですが、画集があったら欲しいくらいです。

展示されていた絵を少し紹介。

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ロベール・アントワーヌ・パンション
「道、雪の効果」1905年
個人蔵

銀世界に訪れる夕暮れ。パステルカラーの光が画面一面を覆っていて、何ともメルヘンな気分にさせてくれます。

家に飾りたいくらい好きな絵です。

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フェリックス・ヴァロットン
「オンフルールの眺め・朝」1912年
オヴァーズ県美術館所蔵

ヴァロットンの作品は、眺めているとなぜか不安になる感じがして不思議です。ポスターとかもそうだけど、この絵なんか特にそう感じます。

木が人みたいに見えるし、影が幽霊みたいな雰囲気だからでしょうか…?

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クロード・モネ
「ヴェトゥイユの河岸からの眺め、ラヴァクール《夕暮れの効果》」 1880年頃
個人蔵

看板に使われている絵です。

モネの絵にしては少し暗めな雰囲気だったんですが、それは夕方だからなんでしょうね。ピンクとオレンジの散りばめ具合が好きです。

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モーリス・ドニ
「小さなブルターニュの女性たち、沼のほとり」 1892年頃
個人蔵

線がくっきりして不思議な雰囲気の絵です。おそらく奥が沼で手前は草原だと思いますが、黄色と紫のコントラストが美しい。

穏やかな目線で描かれていて、画家の幸福さや落ち着いている人柄が窺えます。

いかがでしたか?

本当にいろいろな画家の絵が展示してあって楽しかったです。

バルビゾン派と印象派が好きな方には特にオススメ。

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