マグリット展の感想(2015年:国立新美術館)

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マグリット展
会期:2015年3月25日(水)~6月29日(月)
会場:国立新美術館(東京都港区六本木)

ずーっと行きたいと思っていた「マグリット展」にやっと行くことができました。

場所は六本木駅から徒歩5分くらいの場所にある「国立新美術館」。たまに展示を観に行く美術館のひとつです。

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先日同美術館で開催していた「ルーヴル美術館展」も観たのですが、異常な混みっぷりで大変でした。

でも今回は、もう美術館へ向かう道からすいているような…。券売所も殆ど並んでいませんでした。不思議ですね…私はルーヴルよりマグリットの方が期待値高かったのですが。

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あちこちにポスターがあったり、敷地内にもこんな感じで看板が配置されていたりと、美術館の力が入れ方がすごいなぁと感じます。今年の1月ごろにも一度来ましたが、そのときから一部看板ありましたからね、既に。

入り口はこんな感じ。

赤いカーテンは、マグリットの絵に出てくるモチーフのひとつですね!

一見ガラガラですが、中は思ったより混雑してました。

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マグリット展の感想

ルネ・フランソワ・ギスラン・マグリット (1898年-1967年) はベルギーの画家です。系統は「シュルレアリスム」

非現実・超現実の世界…重たいものが飛んでいたり、硬いものが柔らかかったり、見ているとイマジネーションがかき立てられます。

商業美術のお仕事をしていた関係か、デザイン色が強くて非常に見やすいレイアウト、シックな色使いの絵が多いです。

パッキリした線を描き、ムラなどは少なくて、特に後半の絵はとてもきれいな画面に仕上がっています。

周りからは「上手~!」って声が結構上がってました。

リアリティのある表現とない表現を同じ画面に組み合わせることで、シュールさを際立たせていたんだと思います。

本人曰く描いているものは、「目に見える思考」だと言うことです。哲学的!(ただし哲学者をすごく嫌っていたようですが)

分かりやすい絵もありましたが、シュールすぎてよく分からない絵もたくさんありました。

でも「傑作あるいは地平線の神秘」と言う絵の説明のところで、「月は現実だとひとつしかないけど、3人の男がそれぞれ月のことを考えたとき、3人分の月ができる…だから3つ月を描いた」と言うような文章をみて、なるほど!!って思いました。

あれですね…「花火を見て美しいと思う。しかし本当は花火そのものが美しいのではなく、それは”美しい”と思う人間の心の”所作”である」って言う話と似ています。(むかし禅問答かなんかの本で見ました)

今回の「マグリット展」は、130点数もの代表作を楽しむことができました。この手の展示にしてはとても多い展示点数でしたね。

しかも章立てで大体の年代別に並べられているので、画家の変遷をスムーズに辿ることができ、とても見やすい展示でした。

そして随所に画家本人のポエミィなコメントが並べられ、その不可解さにミステリアスな印象を受け…マグリットの魅力を味わえるような構成だったと思います。

絵で人柄が分かるって言いますが、マグリットはキッチリしてて完璧主義、でも夢想家で、よくボーっとしてて、殆ど家の中で絵を描いてそうだなぁ…なんて、勝手な妄想しながら帰宅しました。

いかがでしたか?

私のマグリットへの想いが伝わりましたら幸いです。

これは買ってきた図録とポストカード。

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図録の表紙は「ゴルコンダ」と言うタイトルの絵です。インパクトすごいですよね。

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