斎藤与里のまなざし展の感想(2015年:中村屋サロン美術館)

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生誕130年記念 中村屋サロンの画家 斎藤与里のまなざし
会期:2015年7月4日(土)~9月27日(日)
会場:中村屋サロン美術館

新宿駅東口から徒歩2分ほど、かなり駅近にある美術館「中村屋サロン美術館」。

新宿に行く用事があったので、近所に美術館あったら行きたいなぁと思って調べた結果、見つけた美術館です。

新宿中村屋ビルの3Fにあり、総面積は狭そうでしたが、都会の中にぽっかりアート空間が出来上がっている様は、なんとも心地よいものがありました。

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斎藤与里のまなざし展の感想

斎藤与里 さいとう・より(1885-1959)

埼玉県生まれの洋画家。フランスに留学し、ポスト印象派、野獣派、ナビ派などの絵画に触れ、帰国後それらの作品を紹介。

フュウザン会、槐樹社、東光会などの美術団体を設立。文筆家・洋画家として、日本画壇の進展に大きく貢献した。

作品は、初期~晩年までの作品が40点ほどありました。

前半はフランス留学の影響が出ている作品が複数並べられていて、それ以前の(おそらくアカデミックな)作品はありませんでした。

見た感じ、モーリス・ドニが好きだったのかな?と言う印象でしたが、解説によるとフォービズム(野獣派)に大きく影響を受けていたそうです。

確かにポスターにあるメインの絵は、床とか机がマチスだと思います。パステル系の色はデュフィっぽい。

おそらくフランス絵画の、自分の気に入った部分を取り入れて、自分の表現を模索して行ったんでしょうね。

後半は、日本に根ざした絵画を作りたいと思う信念が、よく表れている作品群でした。

特に晩年の、ボヤっとした主線と柔らかな色彩の作品がとても美しかったです。

黄色っぽい光の表現はナビ派を思わせますが、角の取れた丸っこい表現と、平和な、のどかな感じのする…そう、いわゆる牧歌的な雰囲気

塗りのモコモコ感と、線で閉じられた小さな空間が並ぶ様は、まるで刺繍のような印象も受けました。

日本の田舎や、温泉地や、四季の風景をモチーフにしたものが多かったと思います。

日本が好きで、自分の愛するものたちを、純粋な目で鮮やかに表現しようとした画家だったんですね。

絵の具は薄塗りな方だと思うので、おそらく経年劣化で、色は結構変わってしまっていると思います。(黄色っぽいのはそのせいかも)

それでもこんなにきれいなんだから、当時は一体どんな風だったんだろう…と、思いを馳せたのでありました。

いかがでしたか?

気に入った絵のポストカードも買ってきました。

「山峡秋色」と言う作品も好きだったんですが、売ってなくて残念!

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やっぱり猫はかわいいです。

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↓のマチスの作品集の表紙の絵は、「赤のハーモニー」と言う有名な絵です。

以前、国立新美術館での「エルミタージュ美術館展」で原画を観ました。

もともと壁と机は青だったけど、上から赤で塗りつぶしたそうな…