アクリル絵の具の乾燥を遅くする方法:水分とメディウム

アクリル絵の具(アクリルガッシュ)は、比較的速く乾燥する画材です。

特に厚塗りする場合は、水を殆ど加えないことがあるのですが、すぐに乾いてしまうため、混色や着色を素早く行わなければなりません。

筆が早い方はそれでも大丈夫なのですが、私はじっくり塗りたい方なので、どうしたら乾くのを遅くすることができるか、いろいろ考えました。

状況によって適切な方法を選べるよう、こちらにまとめてみようと思います。

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水分を補充して乾燥を遅らせる

スポイトで水をアクリル絵の具の上に乗せておく

シンプルイズザベスト。こまめに水を補充する必要がありますが、これが一番ラクです。

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ティッシュに水を含ませてパレットに置いておく

ティッシュを四角く畳んで水を含ませ、パレットの真ん中に置くことで、蒸発する水分を常に補充することができます。乾いてきたら、ティッシュに水を垂らしましょう。

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加湿器で部屋の湿度を上げる

パレットの側に水蒸気が出るものを置いておくだけで、乾燥は遅くなります。

卓上用の加湿器が割と安価で売られているのでオススメです(冬場の乾燥対策にも使えますし)。

メディウムを使用して乾燥を遅らせる

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メディウムとは絵の具に混ぜる「混ぜ物」で、いろいろな効果のものがあります。

「乾燥を遅らせる」「光沢を与える」「つや消しにする」「絵の具を硬くする」「透明感を与える」「紙や砂などのテクスチャを与える」などなど…

その中で乾燥を遅らせるタイプのメディウムを試し、オススメできそうな商品をいくつか紹介します。

リターディングメディウム(リキテックス)

「厚塗り用遅乾剤」と表記あり。文字通り、絵の具を薄めず分厚く塗りたいときに使用します。

アクリル絵の具に10~20%程度混ぜ込むことで、乾燥が遅くなります。無色透明で、ゼラチンみたいな見た目です。

リキテックス リターディングメディウム 60ml B01-2151

リターディングメディウムの使用感

水を少し加えると、とてもよく絵の具が伸びるようになります。透明なので絵の具の色にも影響しづらいです。

ただし、絵の具にたくさん混ぜすぎると乾いた後ブヨブヨになり、仕上げ剤を塗ったときに剥がれてくるくらい耐久性が落ちますのでご注意を。

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※「他銘柄のアクリル絵の具と混ぜないで下さい」と書いてありますが、私は普通にリキテックス以外でも使ってます。

グラデーションメディウム(リキテックス)

「薄塗り用遅乾剤」と表記あり。上のリターディングメディウムとは違い、水彩絵の具のような描き味にしたいときに使用します。

アクリル絵の具に20~30%程度混ぜ込むことで、乾燥が遅くなります。見た目は水と大差ありません。

リキテックス グラデーション メディウム 120ml

グラデーションメディウムの使用感

サラッとした水のようなメディウムなので、混ぜやすく初心者の方にオススメです。

水でも良いのでは?と思っていましたが、使ってみると絵の具の伸びが良いのが分かります。

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スロードライジェルメディウム(リキテックス)

「遅乾盛り上げメディウム」と表記あり。私の一番お気に入りのメディウムです。

上のメディウムと同様、アクリル絵の具に混ぜ込むことで乾燥が遅くなります。

リターディングメディウムと違うところは、絵の具に光沢感が出るところ。

他にも「ジェルメディウム」と言う光沢を出す+盛り上げ用のメディウムがありますが、この「スロードライジェルメディウム」はそれに「遅乾」効果をプラスしたものになります(名前見れば分かりますね)。

見た目は白く濁りがありますが、絵の具を混ぜると分からなくなります。

リキテックス スロードライ ジェルメディウム 300ml

リキテックス ジェル メディウム 300ml

混ぜる量は自由ですが、オススメの投入量は絵の具の量の20%くらいです。

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スロードライジェルメディウムの使用感

混ぜる量の上限がなく、いくら混ぜても大丈夫なので安心感があります(混ぜた分だけ透明感が増します)。

そして「作業時間を40%くらい延ばすことができる」と表記がありますが、効果が絶大。

また、乾燥後は丈夫なので重ね塗りにも向いています。ただし厚塗りをして下の色を隠したい場合は、あまりたくさん混ぜない方が良いです。

まとめ

今回紹介した方法を上手く組み合わせると、効果は更にUPします。例えば「メディウムを混ぜた上で、水も被せておく」とか。

また、小まめにパレットにフタをするなど、ちょっとした手間や工夫が大事だったりします。

絵の具を無駄にしないよう、気をつけていきたいものです…。

いかがでしたか?

今回は、私も実際行っている対策を紹介しました。皆さまの創作活動の参考にしていただけましたら幸いです。