アルフレッド・シスレー展-印象派、空と水辺の風景画家-
期間:2015/9/20 (日)~2015/11/15 (日)
会場:練馬区立美術館
私は印象派の絵が大好きで、関連展示で時々見るシスレーの絵も割と好きです。
でも同じ印象派でも、モネやルノアールなどに比べると地味な扱いで、人気もイマイチなのかな?と思っていたのですが、今回シスレー単体の展示が開催されるとのことで、早速観てきました。
場所は練馬区立美術館、初めて行く美術館でした。
池袋から西武池袋線に乗って6駅。思ったより近かったですが、いかにも新宿より西の方って感じの、商店街や住宅が並んだごちゃごちゃとした街並みでした。
「中村橋」駅から美術館へ。徒歩3分くらいと近場にあります。
美術館の手前に「練馬区立美術の森緑地」と言う公園のようなスペースがあり、動物のオブジェがたくさん並んでいて面白かったです。
これが一番大きな看板。
美術館正面。建物は綺麗です。
混雑具合は、すいてる方だと思います。おそらく土日でもゆっくり観られるレベルです。
美術館の中のポスター。
この絵は「サン・マメスのロワン湖畔の風景」と言う絵です。原画は小さかったけどカラフルだから見栄えしますね。
アルフレッド・シスレー展の概要
印象派の風景画家アルフレッド・シスレー(1839-1899年)の作品を20点程度展示していました。
プラス、セーヌ川の整備について、あとシスレーが晩年を過ごした「モレ・シュル・ロワン」村を訪れた日本人画家の作品なども展示されていました。
展示の構成はこんな感じ。
- 第1章 印象派の風景画家、シスレー
- 第2章 シスレーが描いた水面・セーヌ川とその支流―河川工学的アプローチ―
- 第3章 シスレーの地を訪ねた日本人画家
アルフレッド・シスレー展の感想
シスレーの絵で私が好きなところは、光を追求する印象派の流れそのものを感じられる風景画である、と言うことろです。
どの作品も安定した美しさがあり、あまりブレを感じさせません。
私は明るくて鮮やかな色のものが好きなので、展示していたもので一番好みだったのはポスターでも使われている「サン・マメスのロワン湖畔の風景」でした。
展示点数は、一人の作家単体の展示にしてはちょっと少なすぎるかなぁーと思いましたが、どうも日本国内の所蔵品全部でも50点ないみたいなので、多く集めた方なのかも知れせん。
もうちょっと作品がないと、作風とか把握しづらいし傾向も掴めないかなぁと思うんですが、展示パネルによるとシスレーは生涯に渡って、同じような画風を貫いたようなので問題ないかも。
モネやその他の印象派の画家のように、作風が変わることはあまりなく、とにかくセーヌ川流域に転々として居住し、水辺の風景を描き続けた、とのこと。
そういう一貫した意思は好印象で評価される反面、変化・進化のない作風は美術の発展に貢献したとはあまり言えないということで、作家活動への評価はイマイチだったらしいです。(最近見直しされているとパネルに表記あり)
あとセーヌ川はかなり急な川で、ちょくちょく氾濫して水害を招いたようで、入念に整備工事されたそうです。
その整備のお陰で、セーヌ川は船の上で絵を描けるレベルまで穏やかな川になり、緩やかでキラキラする水面も、印象派の画家たちの格好のモチーフになった模様。
今回の展示では、運河の利用の仕方とか、絵とはあまり関係なさそうな解説もたくさんありました。
(東京・荒川の氾濫の写真や記録などの展示もあり、私の家周辺まで浸水したようで、背筋が寒くなりました。)
下はチラシ、作品リスト、ポストカードなど。
図録は見た目が豪華だったので買うか迷ったんですが、絵があんまり入ってなかったので止めときました。
いかがでしたか?
どんなもんだろうと思っていたのですが、観に行ってよかったです。シスレー好きな方にはオススメできる展示でした。
ただし絵以外の展示も結構あったので、注意が必要かも。