うらめしや~、冥途のみやげ展
会期:2015年7月22日(水)-9月13日(日)
会場:東京藝術大学大学美術館 地下2階展示室
幽霊画を集めた展示があると聞き、観にいくことにしました。
でも何だろうこのタイトル…。
開催場所は上野駅から徒歩10分くらいのところにある「東京藝術大学大学美術館」です。
先週に国立西洋美術館の展示を観たばかりですが、ここは来たことなかったので新鮮でした。
上の看板の絵が雰囲気あって好き。
まだ始まったばかりで、まあまあ混雑していました。
(最近日本画人気ですよね)
入場制限するほどにはないにせよ、絵を観るための列が壁沿いに結構できてました。ゆっくり見たい方は、土日は避けたほうがよいのではないかと思います。
ただこの美術館広くはないので、すぐ見終わってしまった印象でした。
あと上の階でやってた「ヘレン・シャルフベック展」も気になったのですが(好きなタイプの絵柄だった)、時間的にちょっと無理だったのが残念。もうすぐ会期終わるから観れなそう。
うらめしや~、冥途のみやげ展の概要
噺家・三遊亭圓朝(さんゆうてい・えんちょう)<1839-1900>ゆかりの幽霊画約50点、プラス関連した怪談話の日本画や浮世絵、関連グッズを展示するものです。
三遊亭圓朝は怪談噺を得意としていたようで、例えば「牡丹燈籠」「皿屋敷」「こはだ小平二」などの内容の解説とともに、関連する絵が紹介されます。
「幽霊なんて非科学的」と言われはじめた明治時代ですが、やっぱり超常現象や不可解なことへの恐れは、人の心の奥底にいつになってもあるものなんですね。
うらめしや~、冥途のみやげ展の感想
タイトルの通り「怨念」「呪い」「祟り」…生前の「恨み」を晴らすようなお話の絵が多かったです。生成、安達ヶ原の鬼婆のお面や、書物の展示などもありました。
幽霊画のコレクションは三遊亭圓朝が集めたものと、死後その意志を受け継いだ藤浦家が集めたものだそう。(百物語にちなんで100個集めようとしたらしい)
結構有名な浮世絵師が、おどろおどろしい幽霊や鬼の絵を描いていて、物語の挿絵みたいで面白かったです。
私も実は怖い話大好きなんですが、昔の人も好きだったんだろうなーと思わせるような、質の高い作品の数々でした。
女性の幽霊の絵はまるで美人画のようなのですが、表情がやっぱり怖いし、血が流れてたり顔色が異常だったりして、そのギャップに興味を惹かれます。
幽霊って何で女性が多いんでしょうねぇ…
しかしこうして展示を観て思うことは、日本の絵は西洋のものに比べて「感情」をより強く表現しようとしている気がします。
西洋画は「表情」よりも「空間」で表現しようとしてる、かな…?
こういうところは国民性と言うか、日本人の特徴なのかも知れません。日常生活では感情を抑えるけど、自己表現できる芸術の場では全開、みたいな。
ところで「絹本着色」と言う画法が気になって仕方ない今日この頃です。やってみたい。
いかがでしたか?
ちなみに下の看板の絵…「上村松園《焔》」は今日展示していませんでした。9月1日~9月13日のみの展示のようです。
展示されていた絵の中では、鰭崎英朋の「蚊帳の前の幽霊」と葛飾北斎の「百物語 こはだ小平二」と言う絵が好きでした。